権利証を紛失しても不動産売却はできる？

権利証を紛失していても売却できるのかどうかをご説明する前に、権利証とは一体どういったものなのかをご説明していきます。

権利証は、不動産の売買において不動産の所有者が名義人本人なのかを証明するための書類です。

また、権利証は、「登記済権利証」と「登記識別情報通知書」の２種類があります。

2005年までに発行されていたのが、「登記済権利証」です。

登記済権利証のことを、通称「権利証」と呼ぶことが一般的です。

登記済証明証は登記申請書に「登記済」の文字と受付年月日が押印された書類です。

その後、インターネットの普及により、2005年3月7日に不動産登記法が改正され、オンライン申請が可能となりました。

この改正法以降、登記済権利証は廃止となり、「登記識別情報通知書」へと切り替わりました。

また、登記識別情報通知書に切り替わったことにより、登記識別情報が英数字12桁の文字列で通知されるようになりました。

登記名義人のみが知り得る情報ですので、他人に知られないように管理しましょう。

登記識別情報通知書に切り替わったことで、登記済権利証は廃止になりましたが、これまで発行されたものは引き続き有効です。

不動産の権利証は、一度紛失してしまったら再発行はできません。

しかし、権利証を紛失してしまった場合でも、物件の所有権は有効です。

また、権利証が無くても、代替措置を利用して不動産売却を行うことが可能です。

権利証を紛失してしまった場合の代替措置は３つあります。

1.　事前通知制度を利用する

2.　登記手続きの代理人である司法書士に本人確認してもらう

3.　公証人に認証してもらう

上記の方法はすべて不動産登記法に基づいた代替措置です。

1.　事前通知制度は、権利証が見当たらない場合、登記所から郵送で名義人本人かの問い合わせに対し、実印を押印して返信を行い確認してもらうことで証明することができます。

2.　登記手続き人である司法書士に本人確認を行ってもらって証明してもらうには、本人確認情報を提出することが必要です。

また、司法書士に限らず土地家屋調査士などの有資格者であっても証明してもらうことが可能ですが、有資格者への手数料が発生します。

3.　公正証書を認証できる公正役場に勤務している公証人に確認してもらうことで可能となる方法です。

権利証を紛失した場合の代替措置ですが、手続きを行うときには次の注意点に留意する必要があります。

1.　事前通知は登記を行う予定が無ければ手続きできない

2.　本人確認できる司法書士は代理人に限る

3.　公証人の認証してもらう場合、費用と時間がかかる