旗竿地の売却は難しい？スムーズに売却するポイントは？

旗竿地は、使いやすい整形地に比べると、売りにくいと言われています。

しかし、すべての旗竿地が売りにくいわけではありません。

旗竿地の特徴が理解できたところで、旗竿地が整形地と比べて売れにくいとされる４つの理由を見てきましょう。

①建て替えられない場合がある

旗竿地によっては、建て替えができない場合があります。

昔の法律では接面道路に対して、１．８ｍの間口が必要と定められていましたが、現行の法律では２ｍ以上に変更されており、間口２ｍ未満の旗竿地では建て替えができないのです。（リフォーム可）

また間口を確保して建て替えられたとしても、建築コストがかかるうえに、想定していた家より狭くなってしまう可能性があります。

これは、将来建て替えを検討している購入希望者にとって大きなデメリットといえるでしょう。

②土地の評価額が低い傾向になる

旗竿地で建物を建てられるのは、旗の形をした四角形の部分のみです。

土地の面積に対して建物部分が限られてしまっていることから、土地の評価額が低い傾向にあるのです。

将来売却するつもりでいる購入希望者にとって、土地の評価額が低いことは大きなデメリットになります。

③土地の活用が難しい

旗竿地は特殊な形状をしているため、土地を活用しづらいこともデメリットです。

周囲を住宅に囲まれていることが多い旗竿地には、日当たりや風通しが悪かったり、プライバシーの保護が難しかったりと、家づくりをするうえで様々な課題がつきまといます。

整形地とは違うやり方で工事を行わなければならないため、どうしても買い手がつきづらくなるのです。

④取り壊す費用が高くなりがち

旗竿地の竿部分の広さや長さによっては、建物の取り壊しにかかる費用が高くなってしまう恐れがあります。

竿部分の土地が狭すぎると、取り壊す作業に必要な重機や廃材の運び出しのためのトラックなどが入れない場合もあるでしょう。

また狭い土地での取り壊しなので、粉塵や騒音、事故に十分配慮をしなければなりません。

旗竿地での建て替えやリノベーションには高額な人件費・建築コストがかかるリスクがあるため、買い手がづきづらいのです。

旗竿地は整形地と比べて売りにくいとわかりました。

しかし、旗竿地と一言でいっても売れやすい土地と売れにくい土地があるのをご存じでしょうか？

ここでは、売れやすい旗竿地と売れにくい旗竿地の特徴を見ていきましょう。

①売れやすい旗竿地の特徴

・竿部分の間口が広い

・重機が入る余裕がある

・日当たり風通しが良い設計となっている

・周辺の相場に比べて売却価格が安い

旗竿地によって、竿部分の面積や間口は大きく異なります。

道路に接する間口が広い旗竿地なら建築や解体の際に重機が土地の奥の方まで入れるでしょう。

さらに、竿部分に余裕があれば駐車スペースとして活用できます。

また、周囲を住宅に囲まれていても、日当たりや風通しが確保できていれば、他の旗竿地に比べて買い手が見つかりやすくなります。

周囲の土地に比べて価格が安いことも、売却するうえでは大きな強みとなるでしょう。

①売れにくい旗竿地の特徴

・竿部分の間口が狭い

・再建築不可の土地である

・建築制限を受けてしまう

・間口が私道と接している

竿部分の間口が現行の法律で定められている２ｍギリギリで狭い場合は、土地の評価額が低くなり安い傾向があります。

さらに、間口が２ｍ未満で再建築ができない場合や、建てられる建物の高さに制限があるケースなどは、より売れにくくなってしまうでしょう。

その他、間口が私道に接している旗竿地にも注意が必要です。

売却の前に、ご所有の旗竿地の路地が私道であるか、私道に対しての権利があるかを確認しておく必要があります。

私道を使う方々に共有の権利がある場合には、売却の際にその権利も一緒に売却しましょう。

また、私道部分にある排水・水道管の配管工事をしたい場合、道路のコンクリートが劣化し補修したい時も、その都度、私道の持ち主全員の合意と許可が必要になります。

このようなことからも、旗竿地で私道があると売りにくいと言えます。

売れにくい旗竿地をスムーズに売却するために知っておきたい「４つのポイント」を詳しく解説します。

①不動産会社に買い取ってもらう

旗竿地が再建築不可の場合は、買取に対応している不動産会社に相談するのがおすすめです。

再建築不可の物件についての知識やノウハウを持つ不動産会社に相談すれば、個人に売却するよりスムーズに手続きを進められます。

ただし、不動産会社に買取をしてもらう場合は、個人に売却する場合よりも価格が安くなってしまう傾向がある点には注意をしましょう。

住み替えが必要な方やすぐに現金が欲しい方にはおすすめの手段といえます。

②周辺の土地を購入する

間口が狭くて土地を有効活用できない場合は、周辺の土地を購入できないか検討してみてください。

再建築不可の土地であっても、竿部分の間口を広くすれは接道義務を果たせるため土地を活用できる可能性が高まります。

隣の土地と合わせて売りに出すことで、スムーズな売却が期待できるでしょう。

まずは不動産会社に相談してみてください。

③近隣の土地の所有者に売却する

近隣に土地の購入を検討している方がいたら、旗竿地を売却できるチャンスです。

周辺にお住まいの方にとっても、土地をまとめて面積を広げることで土地を活用する選択肢が広がりますので、前向きに検討してくれることが多いでしょう。

近隣の方が旗竿地を欲しがっているかなどは、打診してみないとわかりませんが、昔から「隣も土地は借金してでも買え」と言われますので、お声がけしてみる価値はあります。

直接、声をかけるのが難しい場合は信頼できる不動産会社に相談しましょう。

④売却前にリノベーションをする

日当たりや風通しが悪い場合は、リノベーションによって状況が良くなるケースがあります。

吹き抜けや天窓、高窓、地窓などを活用すると、四方八方から太陽光をたくさん取り込めて明るく・風通しも良くなるでしょう。

また、広めのベランダやウッドデッキなど、周辺を家に取り囲まれていても、明るく開放感を感じられる家にすることもできます。

コストはかかりますが、魅力的な物件としてアピールできるのでおすすめです。